2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

安倍氏の行動に思うこと

安倍内閣の誕生が、前首相の肝いりによることは公然の秘密と言っていいだろう。自民党総裁選での安倍氏の圧勝は、表立っては当時の彼の国民的人気によるということになっているが、その人気も実際には前首相による様々な引き立てと演出によるものが大きい。…

中野重治 『五勺の酒』

三笠宮家の寛仁親王がアルコール依存症であるということが、宮内庁から発表された。この人の父親は昭和天皇の弟で、戦後大学に入りなおして歴史学を学び、古代オリエント史の研究者としても有名だった人だ。「紀元節」 の復活に反対したこともあって、「赤い…

ほのめかしの政治学

「特定アジア」 という言葉がある。どうやら、この言葉は中国、韓国と北朝鮮という、一部の日本人によって 「反日的」 と言われている三国をまとめて指す言葉として、いつのまにか使われるようになっているらしい。いうまでもないことだが、「特定」 という…

ディーツゲン 『人間の頭脳活動の本質』

ヨーゼフ・ディーツゲン(1828〜1888)という人の 『人間の頭脳活動の本質』(岩波文庫)という著書に、次のような一節がある。近代のある生理学者は次のように言っている。「分別のある人なら誰でも、精神力の座を、ギリシア人のように血液の中に、中世にお…

関曠野 『歴史の学び方について』

関曠野という人がいる。以前から名前だけは知っていたのだが、きちんと著書を読んだことはなかった。で、とりあえず 『歴史の学び方について』 という薄い本を読んでみたのだが、これはなんというか、問題意識は分からぬではないにしても・・・・・・ため息…

対馬斉 『人間であるという運命』

対馬斉という人が書いた 『人間であるという運命』(作品社) という本がある。といっても、たぶんこの人の名前とこの本の名前を聞いて、ああ、あの人のあの本か、とぴんとくる人は少ないと思う。なにしろ、この人が生前に出した本はこの一冊だけで、しかもこ…

だれか注意してやれよ

政権与党というものは、国家機構の中枢を握っているわけだから、実質的には国家において最も強大な権力を握っている組織といってもいいくらいだろう。しかもそれが、長期にわたって権力を独占してきたのだとすれば、その力は非常に強大なものだと言ってもい…