自信過剰はいけないよ

自信過剰な人ってのは、当然のことながら、どこかに世間や他人を見下したところがある。
そのため、「これ」が分かっているのは自分だけ、「これ」を理解しているのは自分だけ、他の連中はなにも分かっていないなどと、ついつい思いがちである。
だが、たいていの場合、あなたが気付いていることは、他の人も気付いている。そのくらいのことは、他の人だってちゃんと分かっている。むろん、皆が皆ではないにしても。
ただし、世の中には、そんなことは分かりきったことだから、いちいち言わないというということもある。問題がむやみやたらと拡散しないように、あえて言わないということもある。
そりゃあそうなわけで、いちいちなにか言うたびに、1たす1は2である、みたいな話から説明しないといけないとなったら、面倒でいけない。
高校の数学や国語の教科書に、九九の表や「あいうえお」の50音図が載っていないのは当たり前なのであって、それを理由に、「この教科書には欠陥がある」などと騒ぎ立てるバカはいない。また、数学の教科書に、詩や小説が載っていないからといって文句を言うバカもいない。それとこれでは、話が違うのだから。
だから、そういう人は、なにかたいそうな発見でもしたかのように大騒ぎする前に、その程度のことは、相手も織り込み済みなのであって、ただ面倒だからいちいち言わないだけ、と思っていたほうがいい。
それを理解しているのは、なにもあなただけではない。人を見くびってはいけない。