2008-01-01から1年間の記事一覧

「批判」についての作法

id:fromdusktildawn 自分にとっての「敵対者」を批判する場合には、その最も優れた部分をこそ批判すべき。 本多秋五の言葉ではないが、id:fuku33氏のように敵対者の「最低の鞍部」を批判して、それで何かを言った気になっているのは、ただおのれの無知と尊大…

「党派性」または「党派的行動」に関するメモ

「党派性」あるいは「党派的行動」とは、なにも政治思想や政治的行動などの場においてのみ発現し、また発揮されるものではない。 自己の正当性をあくまで主張するために、自己の誤謬を後付の詭弁で隠蔽すること、自分にはなんの過誤もないのであり、自分はあ…

わがひとに与ふる哀歌 

某所のコメント欄で、どういう意味で使っているのかさっぱり分からないハンドルを名乗っていた人がいたので、青空文庫からコピペしてみた。むろん、誰が誰のどの詩を好もうが、それは自由である。「死んだ男」という鮎川信夫の詩の一節をハンドルにしている…

コジェーヴ 『ヘーゲル読解入門』から

学生にとって「学ぶ」ということは、なにも偉い先生が教壇から説いて聞かせるご高説を拝聴することだけではないだろう。その場に「先生」を批判する人が現れ、そこにおいて真面目な討論が行われたなら、それに耳を傾けることも「学ぶ」ということになるはず…

Sokalian氏はどこで間違えたか

「みんなはひとりのため」を外した「ひとりはみんなのため」が暴走するとアレなことになる、という話です。 この言葉は、「地を這う難破船」のsk-44さんの「HALTANさんへのマジレス(倫理の枷について)」という記事から引用したものだが、トリアージ的発想の…

「無敵論法」についてのサンプル

「無敵な論法」の数々 1. 具体的な問題を抽象的で陳腐な一般論に還元して、それが意味のないものであるかのように装う論法 彼が言いたかったことが君の言うとおりだとすると、「全体最適の方法は常に正しいわけではない、危険な方向に暴走する可能性もありう…

どこまで続くぬかるみぞ

ここにSokalian氏がずっと居座って、えんえんと管を巻いています*1。困ったものです。 さて、かつてSokalian氏は次のように言ったことがあります。 実際のところ、こういう「最適解」を現実に直ちに適用するのは学問的手続きとしても粗雑なものとしてしか扱…

またふたたびの無敵の人々

最近、この種の人をまた見かけたので再掲しようかと思ったのだが、面倒なので楽天のほうの過去記事にリンクだけ貼っておく。 「無敵」だというのはむろん本人の幻想でしかないのだが、中にはその「幻想」を守るためにやたら必死な人もいるのだなということは…

まだ言い足りないので

法改正してまでバカ親のフォロー? (by apj) sodaさん、>国籍法の不備により、人生がメチャメチャになる子ども達が現実に沢山いる じゃあ、子供を作ることを決めた親の判断について責任を問うことを同時にやらないとやっぱりおかしい。旧国籍法の状況で子供…

あきれてしまった話

法改正してまでバカ親のフォロー? はあっ? いったい、なにを仰っているのでしょう。 人間なんて多かれ少なかれみんなバカであり、愚行をしでかすのはお互い様なのだから、そこはそれ、みんなでお互いに尻拭いしあいましょうというのも、社会や法律の大切な…

似非道徳家=田中康夫の弁

改正国籍法 第三条父または母が認知した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務…

詭弁を弄しているのはいったい誰なのだ

しかしねえ、自分たちがすぐに理解できないことは全て「問題点」だと信じて疑わない自分たちの認知の歪みについて考えてみようとしないのかね。とりあえず私とかその他の人間を馬鹿だということにしてそれで終わりとしたいみたいだけど、自分たちがものごと…

忠告

正義感から生じた「義憤」などというものは、それ自体ではなんの正しさも担保しえない。 大事なことは、それがほんとうに正しかったのか、どこかに自分の勘違いや思い込み、根拠なき断定がなかったか、などをもう一度検証してみることだ。 自分の「正しさ」…

加藤尚武による丸山批判

加藤尚武というと、今やすっかり倫理学者というイメージがあるが、もともとはヘーゲル研究者として出発した人である。もっとも、今はヘーゲルに代表されるドイツ観念論よりも、英米流の功利主義思想を評価する立場に移行しているようだが。東大闘争時、助手…

罵倒語についての考察

孔子様のありがたい言葉に、「おのれの欲せざることを人に施すことなかれ」というのがある。出典はむろん『論語』であるが、これは彼の説く道徳の基本原則と言っていいだろう。さて、これを逆向きに応用すると、人に嫌がらせを言うときは、「おのれが言われ…

あなたが思っているほど、人はあなたのことなど気にかけちゃいない

楽天の方で書いた文を、不要な前後の部分を削ってこちらに転載する。 元記事は、まだ麻生太郎が自民党総裁に就任する前の9月17日に書いたもの。 あなたが思っているほど、人はあなたのことなど気にかけちゃいない 「右」であれ「左」であれ、ネット上で多少…

無敵の印象論法(ちょこっと追記)

まあ、なんちゅうか、誤読の指摘を受けてまともに反論もできずずるずると後退するか、せいぜい「〜としか読めません」とか「〜に決まっています」、「そんなことを言ってなんの意味があるのですか」などと、それこそ論証抜きの主観性丸出しのことを言う人に…

人間は操作可能か

ずいぶん前(2007.01.18)に、楽天のほうで書いた記事を、一部書き直してこちらに再掲する。 今回のゴタゴタに、ちょっと関係するような気がするので。人間は操作可能か 人間に尊厳というものがあるとすれば、それは人間がある意味で互いに理解不能であり、し…

城内実ってなかなか面白い人だ

前衆院議員 城内実の「◎ 政 治 ◎ 「国籍法」の改悪に反対する!」は、ずいぶんあちこちで話題になっている。この問題のエントリのURLにはbakawashinanakyanaoranai すなわち、「馬鹿は死ななきゃ直らない」と書き込んである。 いくら世の中が広いといっても…

ちょっと一言

http://d.hatena.ne.jp/D_Amon/20081115/p1 コメント欄のSokalian氏の発言より >でも、「ドナーが足りない。一人のドナーの臓器で十人が助かる」という状況でも普通に生きている人の人権停止をしてその臓器で十人を助けるなんてことは行われないでしょうに。…

田母神の呆れた発言

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20081114/20081114-00000051-jnn-pol.html 一方、こうした隠ぺい体質については、政府見解と異なる内容の論文で解任された田母神前空幕長との関連が指摘されています。 田母神氏は自衛隊内部に向けた冊子の中で…

いやはや

http://www.asahi.com/politics/update/1111/TKY200811110133.html 今回の懸賞論文は、空幕教育課が全国の部隊にファクスで紹介し、田母神氏以外にも航空自衛隊から投稿者全体の4割を占める94人が投稿したが、田母神氏は「私が指示をすれば、1千を超える…

ちょっと一言

「陰謀論」という言葉は政治批判を封殺するため、とりわけ9.11テロについての米国政府の公式見解を疑う「自作自演説」的な主張を封殺するために、最近作られ使われるようになったものだ、なんて珍論を言っている人がいるようですが、歴史や社会の変化を誰か…

東洋のマタハリ、こと川島芳子の存在も忘れないで

田母神俊雄「日本は侵略国家であったのか」より一部抜粋 李王朝の最後の殿下である李垠(イウン)殿下も陸軍士官学校の29期の卒業生である。李垠(イウン)殿下は日本に対する人質のような形で10歳の時に日本に来られることになった。しかし日本政府は殿下を王族…

オバマ氏に関する記事の再掲

以前に、楽天のほうで書いた記事であるが、こちらに再掲する。 まだ、民主党内でヒラリー氏とオバマ氏による、熾烈な大統領候補指名争いが行われていた当時の記事なので、オバマ氏が大統領となった今の時点では、やや古くなっている部分もあるが、そこはご勘…

公安条例に関する最高裁の判例(昭和35年)

判例 S35.07.20 大法廷・判決 昭和35(あ)112 昭和二五年東京都例第四四号集合、集団行進及び集団示威運動に関する条例違反(第14巻9号1243頁)(東京都公安条例事件)判示事項: 昭和二五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示…

警句

根拠のない手前勝手な似非心理分析に基づいた、「自分だけは分かっている」といったふうの俯瞰を気取った超越的立場の表明や、人生訓めいたただの抽象的な自責の言葉、あるいは一読すると気が利いたように見えなくもない高説や能書きめいた台詞のような、具…

「一般論」しか語らぬ者はただのへたれである

わたしは「戦争」に反対します、「暴力」に反対します、「セクハラ」や「差別」に反対します。 すべて結構。それは正しい態度と言っていいだろう。 だが、一般的な命題としてそのような主張をすること自体は、そう難しいことではない。一般的な命題をそのま…

呆れた男

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20081023-422116.html橋下知事、高校生にマジ反論 大阪府の橋下徹知事は23日、府が財政再建の一環で私学助成を削減したことに反対する府内の私立、公立の高校生グループと府庁内で意見交換した。 生徒…

「厭世のコラージュ」おれは気に食わない

http://pessicolla.blog29.fc2.com/blog-entry-55.html 「厭世のコラージュ」の水瓶座という人が、こんなことを書いている。 自分と異なる論に異議申し立てをしたくなるのは素朴な感情である。とくにブログにおいては誰もが対等であるとの認識が強いため、異…