ちょっと一言

http://d.hatena.ne.jp/D_Amon/20081115/p1
コメント欄のSokalian氏の発言より

>でも、「ドナーが足りない。一人のドナーの臓器で十人が助かる」という状況でも普通に生きている人の人権停止をしてその臓器で十人を助けるなんてことは行われないでしょうに。


明らかに全然違う話をしとるわな。トリアージというのは生きてる人間を殺すようなことはしていない。手遅れの人間を後回しにするだけや。


トリアージというのは生きてる人間を殺すようなことはしていない」などということは、誰もが認めていること。
しかし、常識的に考えれば、すでに手遅れの人間を後回しにすれば、ますます手遅れになるだろう。したがって、それは手遅れの人間に医療資源を投入することは無駄なことだという理由によって、手遅れの人間を「見捨てる」こととほとんど同義である。
だからこそ、トリアージという作業は、現場の医療関係者に対しても、様々な心理的負担と外傷を残すこともある重い作業であり、簡単に発動してはならないのではないだろうか。
それをこのように簡単に「後回しにするだけや」と言い放つ、この人の神経が分からない。

ただ、これに対して『そうするのが当然』などという人には、たぶん良心がない。
目の前で今まさに死のうとしている人を見殺しにするには、その人が『我々』とは違う『奴等』の一員であるという観念を持たなければならない。同じ社会に所属し、共同体を構成する一員としての他人を見殺しにできる感性に、良心など存在しない。
そこにあるのは身勝手な自意識だけだ。


だから、トリアージは『正しい事』ではない。たとえどれほど悲惨な状況であっても。
それは『止むを得ない事』なのだ。

料理日記トリアージについて
http://blog.goo.ne.jp/sutehun/e/3980e901be85c71dcca684d2e5d85f9d