あなたが思っているほど、人はあなたのことなど気にかけちゃいない

楽天の方で書いた文を、不要な前後の部分を削ってこちらに転載する。
元記事は、まだ麻生太郎自民党総裁に就任する前の9月17日に書いたもの。


あなたが思っているほど、人はあなたのことなど気にかけちゃいない


 「右」であれ「左」であれ、ネット上で多少とも政治的な問題や、いろいろと議論を呼び起こしそうな問題などを扱えば、他の誰かから批判的に言及されることなどは珍しいことではない。ネットに文章を公開しているのならば、そんなことは当たり前のことである。すくなくとも、それだって自分の書いた文章に対する反応のひとつなのであり、自分の書いたことに何の反応もないよりはましというものだろう。他人の反応などいらないというのであれば、そもそもネットにわざわざ自分の文章を公開する必要もあるまい。


 だが、誰かがあなたの文章に対して批判的なことを言ったからといって、それはなにもあなたを 「敵」と認定して攻撃しているとは限らない。誰だって、塾や学校などで、教師や友人に自分の計算間違いを指摘されたような経験は、一度くらいあるだろう。だが、そのような指摘に対して、お前はおれを敵視するのか、などと頭から湯気立てて詰め寄ったりすれば、お前はバカかと笑われるのが関の山というものだ。むろん、そういう些細なことをいつまでもぐじぐじと根にもつような人間も、世の中にはいないわけではないだろうが。


 しかし、ちょっとでも頭を冷やして考えてみれば、なにもそれは、あなたがその教師や友人から「敵」とみなされて「攻撃」されたわけではないことぐらい分かるだろう。ましてや、そのような人から、あなたが「打倒」、「粉砕」、「殲滅」すべき不倶戴天の敵などと看做されているわけでもあるまい。たかだかネット上の論争程度で、そのような感情を抱いている人がいるとすれば、それはいささか思い過ごしというものであり、自分を過大評価しすぎというものである。


 あなたが思っているほど、世間の人はあなたのことなど気にかけちゃいない。たかだか、ちょっと批判的なことを言われたぐらいで、「敵」認定されただの、「内ゲバ」がどうの「敵愾心」がどうのなどと言い出す人を見ると、目が点になる。それは、あまりに自意識過剰というものだろう。あなたが思っているほど、他人はあなたのことなど気にしちゃいない。世間というものは、もっと広いのだし、世の中の人間はみんな、まずは自分のことで忙しいのだ。 (以下略)