あきれてしまった話
はあっ？
いったい、なにを仰っているのでしょう。
人間なんて多かれ少なかれみんなバカであり、愚行をしでかすのはお互い様なのだから、そこはそれ、みんなでお互いに尻拭いしあいましょうというのも、社会や法律の大切な役割じゃないのかな。
「バカ親」がいるなら、その「バカ親」の愚行のために、子供が不当な不利益を受けないようにするのも法律の役割でしょ。それを社会がフォローしないというのなら、いったい誰がフォローするわけ。そのためにこそ、法律があるんじゃないの。
それに、そんなことを言うのなら、「非嫡出子」と「嫡出子」の差別を撤廃した民法の改正も必要なかったということになる。
現行の民法の300日規定だって、改正する必要はないということになる。
なんたって、法律の規定を知りながら子供を産んだ女性や産ませた男性は、それによって子供が不利益を被ることも省みなかった「バカ親」なのですから。
それで、法的に差別される子や、戸籍のない子が生まれてもいいわけですか。みんな、「バカ親」の自己責任なのですか。虐待されている子供を行政が介入して親の怠慢や暴力から守るのだって、「バカ親」のフォローを社会がかわりにやっていることじゃないんですか。
あなたが一生懸命にやっているお水関係で、怪しげな儲け話だとかに騙される人だって、その人が「無知」で「バカ」だから騙されるわけでしょ。
なら、欲の皮を突っ張らせて騙された「バカ」な人のために、わざわざ詐欺罪なんて作って罰する必要もないのかな。あなた、自分がなにを言っているのか、分かっていますか。
そもそも、世の中の人間がみんなイエス様や孔子様のような聖人君子や賢人であるのなら、大半の法律は不要なのですよ。それこそ、故事にいう「法三章」ですむわけです。
むろん、専門外のことについて知識が足りないのはしかたないでしょう。それは誰でも同じです。でも、自分がなにを言っているのか、それがなにを意味するのかも分かっていないというのは、致命的というものですよ。
ついでに言うと、あなたの人間観もいささか狭量にすぎやしませんかね。そんな気がしますけど。
制度の不備のために不利益を受ける者がいるから、そういう人たちを救済しようという話なのに、なんで「先を見ない考え無しの馬鹿」なんて話になるのでしょう。それって、二言目には「規則」、「規則」って振り回したがる小役人根性と同じと言われてもしかたないのでは。
なんだか、あちこちに昨今はやりの「自己責任」教のにおいがしますよ。
