岩国市長選についてのメモ

今回の選挙で投票率がアップした分は、どちらかというと福田候補の方にいくぶん多めに流れたのだろう。
たぶん、その差で勝敗が決まったのではという感じがする。いずれにしても、国の強い圧力のもとで、井原候補は非常によく戦ったし、そこに表された少なくとも岩国の半数に近い市民の声が無視されるべきではないことは言うまでもない。

ところで「カナダde日本語」に、劇団はぐるま座街頭芝居が紹介されていたが、あれはちょっとどうかと思う。おまけに、最後には「民族独立行動隊」の替え歌などという、50年代の「極左冒険主義」路線の亡霊のようなものまで出てくる。なんというか、懲りない連中ではある。

岩国市長選が全国的に注目された結果、様々な応援が外から集まることは分かるが、ああいう応援の仕方は地元の切実な関心からあまりに外れすぎている。極論すれば、岩国問題をだしにして、自分たちの政治宣伝をやっているとしか思えない。福田陣営の「生活重視」というスローガンが一種の争点隠しであったことは明らかだとしても、あの種の宣伝は、むしろ相手側の主張に信憑性を持たせ、結果として敵に塩を送ったことにしかなってはいないのだろうか。

それに、どう見ても、あのような宣伝は普通の市民感覚からはかなり懸け離れているし(たぶん、ああいう連中にはそういう自覚すらないのだろうが)、地域に対する「外部勢力」の介入みたいな印象を与えて、むしろ反発を招きかねない。

だいたい、はぐるま座というのはいちおう山口を本拠にしてはいるが、そもそも60年代なかば頃に、共産党から追放された当時の親中派が結成した、日共左派を名乗るグループが裏にいる札付きの集団である。そもそも、まだ健在であったことに驚いてしまうくらいだ。

まあ、ああいった、いささか品のない街頭パフォーマンスが選挙結果にどれだけ影響したかは分からないにしても、ああいったような余計な連中の応援が、結果的に井原陣営の足を引っ張っていたのでなければよいのだが。

http://d.hatena.ne.jp/nagonagu/20080211