コソボ問題についての報道

コソボ『独立』1カ月 セルビア人抗議 広がる分離行動 反発と歓迎交錯
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008031702096010.html

2008年3月17日 朝刊
 【ベルリン=三浦耕喜】コソボセルビアからの独立を宣言して、十七日で一カ月。コソボでは独立宣言に反発するセルビア系住民による抗議活動が続き、バルカン半島はもとより、分離問題を抱える世界各地に波紋を広げている。

 コソボのサチ首相は十三日、青地にコソボの形を描いた新たなパスポートのデザインを発表した。暫定統治に当たる国連が発給していたパスポートから切り替わるもので、コソボは独立国としての体裁を整えつつある。

 国際的にも、これまでに米国や欧州連合(EU)の十六カ国など二十七カ国が独立を承認。承認予定の国を含めると、五十カ国以上の承認が得られる見通しだ。

 だが、コソボ北部ミトロビツァのセルビア人居住地区では、連日のように抗議活動が展開。十四日には約三百人のセルビア人が国連の裁判所に侵入、建物を占拠した。

 セルビア本国では独立を支持するEUとの関係をめぐり連立政権が崩壊。十三日にタディッチ大統領は議会の解散総選挙を宣言した。五月十一日の投票では、極右民族派政党が政権入りする可能性が取りざたされる。

 隣国のマケドニアでも十四日、コソボへの国家承認が遅れていることに反発したアルバニア系政党が連立政権を離脱。政局を混迷させている。

 影響はバルカン半島の外にも波及。ロシアの南隣グルジアでは、コソボの独立宣言に刺激されたアブハジア自治共和国議会が七日、グルジアからの独立を承認するよう各国に求める決議を採択。南オセチア自治州も同様の動きを起こした。

 スペイン北部のバスク地方、インドのカシミール地方など世界各地で分離・独立を求める勢力もコソボの独立宣言を歓迎しており、この問題の影響は長引きそうだ。

コソボ衝突 100人負傷 セルビア系とNATO軍 独立宣言後最大
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008031802096267.html

2008年3月18日 朝刊

 【ベルリン=三浦耕喜】コソボ北部コソブスカミトロビツァで十七日、コソボの独立宣言に反発するセルビア系住民が国連の文民警官や北大西洋条約機構NATO)軍と衝突、約百人が負傷したもようだ。先月十七日の独立宣言以来、コソボでは最大規模の衝突となった。

 現地からの報道によると、文民警官が同日朝、国連裁判所を占拠していたセルビア系住民の排除を開始。約五十人を拘束したが、集まった他の住民が護送車を襲撃して一部の拘束者を奪還。車に放火し、手投げ弾がさく裂、発砲音も聞こえたため、NATO軍が催涙弾などで対応したという。

 ベオグラードのB92テレビによると、警官、兵士のうち約三十人が負傷。セルビア系住民も三人が重傷で、うち一人が重体。ほかに七十人が軽傷という。セルビア系住民は、十四日から国連裁判所を占拠していた。