「真理」と「真らしきもの」の区別

「数学は自然科学か」という某所での議論に関係ありそうなので。

 それゆえ、幾何学的方法の力によって真理として引き出された自然学のことがらは単に真らしいだけのことであり、また幾何学から確かに方法は得ているにしても、証明を得ているわけではないのである。われわれが幾何学的ことがらを証明するのは、われわれが(それらを)作っているからである。
 もしかりに、われわれが自然学的ことがらを証明できるとしたら、われわれは(それらを)作っていることになってしまうだろう。というのも、事物の本性を形作る真の形相はただ至善至高の神の中にのみ存在しているからである。


ヴィーコデカルトを最も早く批判した17-18世紀イタリアの人。
岩波文庫の『学問の方法』から